ベトナム生活

日本人が知っておくべきベトナムの法律 20

どこの国に行っても日本では聞いたことが無いような法律や規制、習慣に目の当たりすることがあると思います。ベトナムにも日本と同じようなものから、少し変わったものや日常生活において意外と違法と知らないことなどがあります。

そんな中で日本人が知っておくべきベトナムの法律を紹介していきます。

本題に入る前に、ベトナムやベトナム社会は仏教をコンセプトにした価値観によって動いており、いくつかの法律はそのような考え方に基づいているものがあることを覚えておくと良いかも知れません。

01. 滞在登録(住民登録)

ベトナムに来て滞在する目的が、就労なのか留学なのか、旅行なのかの理由に関わらず、外国人(ベトナム以外の外国籍を保有する場合)は、地元の警察に登録しなければいけません。旅行者の場合は、滞在先のホテルが行なってくれることが多いです。就労や留学など長期滞在となる場合は、基本的にはアパートや借家の大家さんが行なってくれます。
この時に、パスポートなどのIDが必要となります。(ホテルへ宿泊する時にパスポートを提示したり、預けたりする必要があるのは、この理由からです)

02. 2人以上がバイクに乗ること

最近では少なくなってきましたが、3人乗りや4人乗りのバイクを見たことはありませんか?
このように、バイクに2人以上乗ることは違法です。
ローカルに行けば行くほど、日常の光景として目にすることが多々ありますが、違法行為なので真似はしないに越したことがありません。おまけに危険です。

また免許証が必要では無いのは50cc未満のバイクだけになり、街中でよく売られている110ccや125ccのバイクは免許証の携帯が必要不可欠となります。

03. ベトナム人との婚前交渉は法律的にはNG

外国人とベトナム人の婚前交渉や婚外交渉、また同棲は禁止されています。そのため、五つ星ホテルなどの一部のホテルでは、ベトナム人の恋人と一緒の部屋に宿泊することが出来ません。どうしても一緒のホテルに宿泊する場合は、2部屋以上の部屋をとるなどの対応を迫られます。ただホテルによっては、2部屋以上の部屋をとっても部屋の往来をしただけでも、室内の電話が鳴り止まないということもあります。

もしベトナム人のパートナーとの間に子供を持つことを考えている場合は、婚姻届を提出してからにした方がいいです。出産してから婚姻届を提出した場合、生まれてきた子供は婚外子として扱われ、出征証明書に父親の名前を書くことが出来ません。

04. 働くためには労働許可証が必要

ベトナムでは観光ビザでの就労は違法となっています。短期間就労や、アルバイトやパートタイムのように1日数時間だけの就労であっても、労働許可証の取得が必要となります。
たまに労働許可証を取得せずにビザランをしている話や、駐在員の奥様がアルバイトをしている話、日系企業で日本人のアルバイト募集の話を聞きますが、これらは基本的には不法就労に当たります。雇用者側は罰金刑などで済むことがありますが、被雇用者は国外退去となり数年間はベトナムへ再入国することが出来なくなります。

05.ビジネスを始めるためにはお金がかかります。

全てのビジネスを始める際にお金が必要というわけではありません。ベトナムの法律では、会社設立時に銀行の預金残高が30,000ドル以上ないといけません。但し、ベトナム人の名義を借りて会社を設立する場合は、この限りではありません。

06.不動産の購入は可能ですが、土地は買えません。

ベトナムは物価が安いので土地を買って、家を建てようと計画している人は少なくないかと思います。しかし、ベトナムでは外国人による土地の購入は出来ません。
土地を買うことは出来ませんが、借りることは出来るので、借地契約となってしまいます。ベトナムの借地契約は最長で50年となっています。契約を満了した後は、賃料を上げる事なく更新することが出来ます。

07.残業は違法

ベトナムの労働法では週に48時間以上働くことは出来ません。1日の最大労働時間は8時間と規定されており、48時間というのは、週6日間の合計となっています。
そのため、雇用者と被雇用者の合意があり、週48時間以内であれば、残業代なしで1日10時間労働は出来ます。
万が一、週48時間を超える場合は、残業代が発生します。

08.お酒は18歳から

ベトナムの法律では、お酒は18歳になってから飲むことが出来ます。ベトナム人でも意外と知らないようです。

09.就労時には試用期間があります。

新たな仕事を見つけ、働き始めたら、試用期間というのがあります。外国人が雇用される仕事は基本的には大卒以上を条件としているため、試用期間は60日と設定されています。会社によっては試用期間を設定していないところもあります。
しかし、試用期間の終了条件がノルマクリアなどのように無期限となっているところもあるようですが、それが60日を超えるようであれば問題です。
試用期間中の給料は、試用期間終了後の給料の85%が支払われます。(会社によっては試用期間中であっても、通常の給料をもらえるところがあります。)

10.ギャンブルは禁止。

五つ星ホテルなどにある政府公認のカジノ以外のギャンブルは違法です。外国人や外国のパスポートを持っている場合は、この限りではありません。しかし、ベトナム人のプレイは禁止されており、場所によっては入場すらも禁止されています。(一部の省によってはドッグレースや競馬といったギャンブルが法律で認められていることがあります。)

11. ポルノ写真の持ち込み禁止

ポルノ写真をベトナムに持ち込むのは禁止されています。これは写真だけではなく、生産・配布・所有の全てが違法になっています。もちろん、映像も違法です。
空港などのトラブルで、日本の週刊誌を持っていたら没収されたという話を聞きますが、没収されるだけなら運が良いです。罰金と没収というのが多く、最悪は国外退去という可能性もあります。

12. 骨董品を輸出することは禁止

街中で古くて風変わりな骨董品を見つけても、ベトナム文化・スポーツ・観光省の許可を得ずに輸出することは違法となっています。
これは文化財等の盗品輸出を防ぐ目的のためで、もし輸出する場合や持ち帰りたい場合はベトナム文化・スポーツ・観光省に相談してからにしましょう。

13. 大麻や覚醒剤は禁止

世界的にも大麻や覚醒剤は禁止されている国が多いですが、ベトナムでも大麻や覚醒剤は禁止となっています。
使用に関しては緩く無関心なように思えるくらい、クラブやディスコ、また芸能人が集まるようなイベントとかでも、大麻(マリファナ)を吸っている匂いを嗅ぐことが少なくありません。
しかし、所持をして逮捕された場合は、死刑のような極刑の可能性もありますので、興味本位で手を出すのはやめましょう。

14. 売春は違法

ベトナムでは売春が違法です。
チョンのまや売春宿、持ち帰りカラオケ、立ちんぼなどホーチミンの色々な場所で売春が行われているのを目にしますが、これは全て違法となっています。
夜、1区の中心部に行くと、公安がいても構わずに勧誘してくる女性や男性に出くわすことがありますが、これらの行為は違法なので、訴えることが出来ます。
ベトナムに来た頃、しつこい勧誘の撃退方法として「私は、ゲイです。」と言えば良いと教わりましたが、これはベストな方法ではありません。なぜなら、ブイビエンなどの中心部にいるおじさんたちは、女性だけでなく男性も取り扱っていることがあります。

15. 産休の権利

就労していて、妊娠したら最長で6ヶ月の産休を取得する権利があります。どんなにパワフルに仕事をこなしていても、2ヶ月は強制となっています。産休中は給与の100%を取得することができ、双子など1人以上の子供を産む場合は、子供1人につきさらに休暇を取得する権利が与えられます。

16. 麻薬はダメ、武器もダメ、中古の車の部品も…ダメ

国へ持ち込むことが禁止されているもののリストが存在します。いくつかは納得いくもので、麻薬やポルノ写真など前述したものですが、中には一風変わったものもあります。

例えば、武器、弾薬、爆発物、軍用機器、ビールのブランドロゴが入っているようなTシャツを含む反動的で下劣な製品、花火、中古消費財(もちろん)、中古家電、環境を破壊し得る製品、中古のスペアパーツ、無駄で使い捨てのもの、申告をしていない5,000ドル以上の現金などです。そして私の個人的なお気に入りは、子供の性格、教育、社会秩序、安全性や平和を侵すような有害なおもちゃです。

しかし、400本以内のタバコ、100本以内の葉巻、500グラム以内の刻みタバコ、1.5リットル以内のアルコール度数22パーセント以上のお酒、2リットル以内のアルコール度数22パーセント以下のお酒(ビールやワイン)は持ち込むことができます。結局、そこまで悪くはないということです。

17. 写真撮影に注意

写真が趣味だったり、よく写真を撮る人は、軍事施設のやその近辺の写真を撮ることは禁止されているということを覚えておきましょう。カメラを没取されたり、厳しい尋問に遭う可能性があります。また、なぜ軍事施設の写真を撮る必要があるのでしょうか?

そのほかに、デモ活動の写真は撮らないようにしましょう。もし非公認のイベントの写真を撮っていると、あなたもそのメンバーの1人だと思われてしまい、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。特に外国人の場合は要注意で、拘留されたり強制退去になる場合もあります。

18. 持ち込めないもの

持ち込むべきでないものは前述の通りですが、ここではベトナムに持ち込めないものを紹介します。武器、弾薬、爆薬、軍の技術装置、骨董品、全ての種類の麻薬、有害化学物質、木、丸太、角材、全ての種類の加工された木材、腐ったもの(いらないですよね。)、野生や貴重な動物や植物、申告をしていない5,000ドル以上の現金です。

19. 結婚できる年齢は…

男性は20歳、女性は18歳です。

20. 国境付近に長時間滞在しないこと

先ほど、軍事施設の周りでは集まれないということを言いました。この法律は国境付近の地域にも適用されます。もしその周辺の村や地域を訪れる場合は地域の警察から許可を取る必要があるかもしれません。また、常に写真付きの身分証明書を携帯しましょう。これは進言しているのではなく、法で定められています。

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